創立10周年を振り返って

納屋町商店街振興組合
狛林秀雄

「どうでっか?」
「まあ、ぼちぼちでんなあ」
これが一昔前の挨拶の決まり文句だったのですが、今は違ってきました。
「どうでっか?」
「あきまへん、さっぱりどすわ」
「ほんま、景気悪おすなあ」
「ほんまに、この不景気、何とかなりまへんかいなあ」

こんな会話が交わされて久しくなります。景気の悪さを愚痴ってもしょうがないが、ほんまに悪い。 政治家があらゆる手を尽くしても、どうにもならんこの不況、我々が逆立ちしても、八角の屁をこいて頑張っても所詮駄目だろう。駄目とわかれば愚痴ってるより、なんとかこの不況を切り抜けることを、それぞれが考え、見つけて生き残るよりしようがないのでは無いでしょうか?小むつかしい理屈を並べ立てているより、いつの時代でも小商人は、地域のお客様のお役に立てるよう、一所懸命努力していくのが一番だと思います。
踏まれても踏まれても、生き残っているのが雑草です。
踏んでいる者が倒れても、踏まれている雑草は生き残っています。私のような小商人は、路傍の草花だと思っています。温室で育てられた名花ではありません。雑草だからこそ強い生命力があるのです、人に踏まれたり、ある時はの下敷きになったり、雪や雨にうたれても、決してめげずに生き残ることに努力をしています。たとえ路傍の草花でも、いつかきっと人の目に付き、心を癒し、喜んで頂けると信じて頑張っています。

さて、前置きが長くなりましたが、これからが本題です。
「クレジット一括処理委員会」と言う名で、8商店街が集い、発足しましたのはもう何年前の事でしょう。それが今では40の組合や商店街を傘下に、日本中にその名を知られる「KICS」にまで発展してきましたのも、ひとえに樋爪さんという優れたリーダーがおられたことと、各委員さん達のご努力のお陰だと、感謝しております。

あの当時を振り返ってみますと、私の所属しています納屋町商店街では、キャットを設置している店が極少なく、クレジットの売上処理は、殆どが手書きか、インプリンターと言う簡単な器具をつかっていたのが現状でした。

私がいくらキャットの利便性や不正カードの防止を説明しても、なかなか聞いて貰えませんでした。そんなとき、京都市がキャット設置に補助金を出すという話がありましたので、これは地獄に仏と飛びつきましたが、いつものことながら条件が付いていました。1商店街で30台以上、もしくは組合員数の半数以上の店が設置する、と云う条件でした。納屋町商店街の組合員総数が48店でキャット設置希望店が18店だから、どの条件にも充たない。困った現状でしたが、京都市には3年以内に半数の設置店(24)を確保するからと特例を認めて貰い、補助金が貰える運びとなりました。これで晴れて納屋町も「クレジット一括処理委員会」のメンバーとなることが出来ました。委員会では樋爪さんをはじめ、委員の皆さんに、教えて貰うことばかりで大変勉強になりました。6ヶ月毎に各商店街別クレジットの売上が集計され発表されますが、納屋町商店街はいつも、とびきり離れた最下位で、恥ずかしい思いをしたものです。(心の中では加盟店数が少ないから当然だ、と言い訳はしていましたが)楽しかった想い出と言えば、熊本と横浜へ研修に行ったことですね。
それと毎年の「カードピア」のイベントは楽しかったですね、当番に当たらなかった年の打上が、特に楽しかったですね。当番と言えば、納屋町商店街はいつも大手筋商店街と一緒でしたので、池上さんには大変お世話になりました。近くに居りながら御礼も言わず失礼しました、改めて厚く御礼申しあげます。

「KICS」になってからは、四条の小出さんはじめ委員の方々には、いろんな案内や連絡事項等、これ又ひとかたならぬお世話をかけています。ありがとうございます。
これからもよろしくご指導下さいますようお願い申し上げます。

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